EVIL Wreckoning 29インチフルサス 29インチ嫌いが、まじめにインプレしてみまひた(大汗)

前々から、知る人ぞ的な、アメリカはシアトルのブランド、EVILですが、Yurisさんが代理店になってから、ずいぶん日本でもメジャーなブランドになってきました。メジャーなブランドが、ポンコツ代理店のおかげで、日本では埋没するケースは何回も見てきましたが(汗)、熱意のある代理店だと、微妙にマイナーだったブランドも、こうやってメジャーになるいい例ですね(笑)

で、おいら、なにを隠そう、29インチがキライな人(爆)

まぁ、そんなに多くの29インチに乗ってきたわけではないのですが、どうも、29というと、ハンドリングがかったるくて、振り回しにくいというイメージが先行してしまっておりまして・・・・まぁ、XCレースとかじゃ、その優位性は間違いないので、それに異論はないのですが、おいらのように、登りをゼーゼー言いながら登って、下りのシングルトラックではっちゃけるタイプには、どうも向いていないという、まったく根拠のない先入観から抜け出せず(大汗)
あとは、普段乗っている、YETIのSBシリーズで、全然不満がない。最近の29インチフルサスに乗った、手練れのライダーと一緒に走っても、別に27.5インチで、なんの不満もない。だから、29インチ興味はなーい(爆)・・・・という訳にもいかず。

まぁ、一応、MTBを売ったり開発したりしている手前、最近流行の29インチフルサスは抑えておくべし、という、ちょっと斜めな観点から、このバイクに乗ってみました(笑)

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モデルは、EVILの中の一番でっかいというか、フラッグシップというか、Wreckoning という、29インチ、リアストローク160mm(正確には161mm)のモデル。素材はカーボン。まぁ、かなりがっちり作りこまれていて、こりゃ丈夫そうというのがよーく伝わってきます。
おいらは、身長174cmなので、Mサイズでぴったり。

で、まずは、おいらの29インチ好きじゃないバイアス(苦笑)を補正すべく、お気に入りのYETI SB6と比較。

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この写真を撮ったときは、EVILは、FOX36だったので、色が違いますが(今はMarzocchiのBomber)

確かに、29インチはでかいんですが、こうやって並べると、あんまり違和感がない(汗)まぁ、YETIもフロント27.5X2.5、リア2.4でワイドリムで組んでいるので、タイヤが比較的でかいんですが、EVILの方も29X2.4ですからね。
あと、このフレームの形状のせいで、でっかいバイクなのに、かなりコンパクト。足つき性は、YETIよりも全然上なので、胴長短足ライダーには非常にいいです(白目)

そして、このEVIL、サスペンションのリンクをひっくり返すことで、BBハイトを下げることができちゃうんです。

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スイングアームに3つのボルトでとめられている、リンクのピボットをひっくり返すことで、BBハイトを約10mmもさげられるんですね。
その結果、27.5のSB6と比較すると・・・(両方ともMサイズ、WreckoningはX-Lowポジション)

 
ヘッド
アングル
シート
アングル
水平
トップ
ヘッド長
チェーン
ステー長
BB
ハイト
ホイール
ベース
YETI64.9  73  6051104423501186
EVIL65.573.96241144323391183

注目すべきは、BBハイト。WreckoningをX-Lowポジションにすると、27.5インチのSB6よりも、BB位置が下がるんです(ちなみに、Lowポジションだと、SB6と一緒)。トップ長は、Mサイズとは思えない長さですが、実際にまたがってみると、意外にもコンパクト。これは、シートチューブがフォワードオフセットされていることが大きな要因なんでしょうが、数字の上では大きいハズなのに、乗ってみるとコンパクトに感じる、これ、EVILマジックと言ってもいいと思いますよぉ(聞いてる、Yurisさん・爆)。そして、ちょっと立っているヘッドアングルと、短めのチェーンステーのおかげで、ホイールベースは、SB6とほぼ一緒という、これまたマジック。

そして、このヤヤコシヤなデルタリンクシステムですが、おいら、基本的に、複雑なのキライなんです(爆)
でも、乗ってみると、リアサスの存在がよくわからないような、絶妙な動きをするんですね。このあたり、YETIのインフィニティピボットのフィーリングにとてもよく似ています。
このデルタリンクのありがたみがすごくわかったのは・・・

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ホームトレイルの、ガレガレの急坂(汗)
なにがすごいって、トラクションがものすごくよく効く。軽めのギアを、座ったままギシギシ踏んでいれば、勝手に登ってくれる感じ。
29インチは、タイヤのコンタクトパッチが広いうえに、このデルタリンクサスのおかげで、しっかりと地面をつかんでくれるので、疲れてきて、ちょっとよろよろしたって大丈夫な感じなのはすごい。このフィーリング、パワーのあるライダーもそうですが、むしろパワーのないスモールライダーや女性ライダーにもいいんじゃないかと、すごーく思います。

そして、お楽しみの下りなんですが、これ、いい意味で拍子抜け。というのは、まったく29インチらしくないというか、おいらのバイアスである29インチのもっさり感がまったく無し。
まず、ハンドリングがすごく軽い。27.5のYETIより全然軽い。そして、ハンドルを切った方向にスパスパと曲がる。体重移動なんかあんま考えなくても、ちゃんと曲がってくれるのにはかなり驚き(汗)
そして、言うまでもなく、乗り心地最高(笑)。高速でも低速でもとってもらくちん。

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こういうハーフパイプ的なトレイルでも、右に左にぶんぶん降って、とても楽しく走れます。YETI SB6に比較して、SB6にできることはWreckoningにまったく同じようにできちゃう。登る、下る、振り回す、飛ぶが、まったく違和感なくできるのには驚きです。

裏を返すと、29インチの優位性が体感できない(爆)。もちろん、乗り越え性能など優れているハズなんですが、あまりに自然なんで、よくわからない上、ハンドリングがいいもんだから、乗り越えずによけれちゃう(笑)。さらに、重心が低くて、ハンドリングがいいから、超スローなタイトターンなど、まるで26インチ車みたいな感覚で曲がれちゃう。このポイントは、SB6よりも上です。

でも、このひらひらしたハンドリングが、時々節操なく感じちゃうところが、マイナスと言えばマイナスでしょうけど、まぁ、慣れの範囲。
あとは、ドロッパーポストが、シートチューブが曲がっているため、根っこまで入りきらない。SB6では普通に使えている150㎜ストロークのドロッパーが、Wreckoningにつけると、突き出してしまうのでポジションが出ないのです。なので、しぶしぶ125㎜ストロークを使用。
あと、この形になってから、フロントシングルオンリーになってしまったところが、個人的には残念(爆)まぁ、今時、フロントディレイラーなんか使うヤツはいないのは、十分承知なんですけれど、これだけ懐が深いバイクなら、フロントがダブルだったら、もっとギア比の幅を広げて、いろいろな用途に使えるのに・・・・と思っちゃうところは、おいらが古いんでしょうね(涙・ちなみにSB6はフロントダブル仕様)

で、このWreckoning、お値段は税込み41万8000円なり~(8%消費税ね)。安くはない。でもね、SB6なんか、まともに買ったら52万くらいするんですよ(汗・おまえはいくらで買ったんだなんていう質問はしない・滝汗)。

そして、なんたって、代理店のバックアップがしっかりしていて、補修パーツはすぐに手に入る。大体、カーボンのフルサスっていうだけで、みんな結構な値段するじゃないですか。そう考えれば、コスパは高し!!

また、Evilは、リアサスストロークや、タイヤサイズの違いで、Wreckoningを含めて、5種類もフルサスをラインアップしていますが、基本サスペンションの構造は同じで、ジオメトリーデザインも似ているので、このひらりひらりと走れるフィーリングは、みんな共通しているのだと思います。
こちらのWreckoningは、試乗も可です。ただ、当店の試乗は、ホームトレイルでの試乗になりますので、走れる格好でお越しくださいね(笑)

あ、ちなみに、こいつに乗り始めてから、29インチが嫌いなんて言わなくなりました(爆)












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