と、カーボンリムを売っている店らしからぬタイトルなんですが(汗)
でも、お客さんからよく聞かれるんですよ、カーボンリムって、どうなのよって・・・・
これ、TR40-275っていうリムで、当店イチオシ、最近はやりの、ちょっと幅広リムで、2.4サイズからプラスサイズ、マキシスのWT規格にも対応なんていう欲張りリムで、おいらも使っています。でもね、重量は440gくらい・・・
アルミリムとあんまり変わらないんじゃね??
それ言っちゃおしめぇよ(白目)でもね、仮にアルミリムと同じ重さだったとしても、カーボンリムの方がMTBには向いていると、おいらは断言しています。
一般的に、カーボンはアルミよりも強度があると言われます。もちろん、これ正しい。ものすごくざっくりな数字ですが、比強度という値(破壊比強度と言って、重量に対してどのくらいの強度があるのかという指数)で比較すれば、カーボンはアルミに比較して、2倍から2.5倍は強いんです。
なので・・・・
アルミリムとカーボンリムが同じ重さなら、強度は2倍から2.5倍!!
なので、リムハイト30㎜なんていう形状で作れちゃう!
TR40-275は、リムの高さが30㎜もあるので、スポークが短くなって、ホイールを組んだ際の剛性がアップします。でも、アルミのMTBリムは、高さがあるものでも20~22㎜くらいが主流なんです。
これはなんでかというと、リムハイトが高くなると、側面に石などが当たるリスクも高くなるわけですが、アルミリムだと、ピンポイントの衝撃で変形してしまう可能性が高い。でも、カーボンリムは、その衝撃での変形のリスクが少ないので、こういう形状のものが作りやすいという訳なのです。
また、カーボンの特性として、変形しにくいというものがあります。これはしなるような力に対しての抵抗力で、一瞬変形しても戻ってしまうんですね(この特性をうまく使っているのが、カーボンの釣り竿。あれだけ変形しても元に戻ってしまう)。
そんな、変形しにくさという特性に、強度と剛性が加わるので、スポークテンションがそんなに高くなくても振れません。
それをものの見事に実験してくれたのが、このバイクに乗っていた人。
白馬の堀っちは、TR35-275という、外幅35㎜のカーボンリムを32穴で組んだホイールを2年使い倒したのですが、ある日バイクをチェックしたら、なんと、リアスポークが全部緩んで、ニップルが手で回る状態!!!
それなのに、ホイール振れていない !!
そんなことよりも驚いたのが・・・
そんな状態で、普通に乗っていやがる!!!
まぁ、均一にスポークが緩んでいたので、触れなかったというのもありますが、アルミリムじゃありえない話でしょう(笑)
でもね、これだけで終わらない、当店のうんちく講座(大汗)
これを見てくだせぇ・・・
これは、カーボン素材の製造設計で有名な、三協製作所のデータを拝借したもの。
上の段は、左からステンレス、マグネシウム合金、アルミ合金で、下の段は3種類の弾性力が違うカーボンファイバーです。で、この青い扇状の波形が何を意味しているかというと、振動減衰力を表しています。振動減衰力とは、サスペンションでいうダンピングのこと。ショックを吸収して抑え込む力のことですね。
で、かいつまんでまとめると、カーボンファイバーは、5000番台のアルミやマグネシウム合金に比べると、振動減衰にかかる時間が、3分の2から、3分の1の速度。
つまり、振動を抑え込む能力がむちゃくちゃ高い!!
で、当店のカーボンリムがどの弾性のものかはナイショですが(笑)、まぁ、エエもんを使ってますよ(大笑)。
まとめれば、カーボンリムは、強度が高くて、変形しにくくて、剛性が高くて、振動減衰力に優れているので、結果、タイヤやサスペンションの能力が、限りなく高いレベルで発揮されるんです。コーナーリングのハンドリングや、振り回すような走りをしたときに、結構その差に驚くものなんですよ。さらには、ヒルクライムなんかも、ホイールが変形しないで、タイヤがちゃんとグリップするので、軽く登れるようなフィーリングになるんです。
そんなエエもんですから、値段は高くなっちゃうんです!!!
でも、そのカーボンリムの特性をうまく使うと、こんな荒業も可能に・・・・
必殺ハードテール階段登り!!!
ずいぶん前の写真出しやがってなんて言わないの(汗)あ、Sさん、写真ありがとね(大汗)
ま、この技に一番必要なのは、カーボンリムじゃなくて、勢いなんですが(爆)
勢いよく階段に飛び込んでも、ホイールがしっかり衝撃を減衰してくれつつ、タイヤのグリップを最大限まで発揮させてくれるので、途中でペダリングしながら登り切れちゃうんです。
でも、こんなわけで、カーボンリムは、MTBには非常に向いているのです。
ちなみに、衝撃減衰に優れているなら、ロードのリムにもいいんじゃね??と思うかもしれませんが、はい、それも正解(笑)
ただ、ロードの場合は、サスペンションもなければ、タイヤの空気量も圧倒的に少ないので、カーボンの弾性特性を、MTBとは違うものに変更して、同時に形状を考慮しながら、剛性が高く、乗り心地が良く、同時に軽いリムへと設計していくようになります。
また、長々と説明したカーボンリムの特性は、どんなカーボンリムにも共通していることです。ほかのブランドのカーボンリムでも、ここに書いたようなメリットはしっかりと体感できますよ~!
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