Huck Norris VS Cush Core VS その他新興勢力(汗) な、初心者のための、タイヤインサートの話

ここ数年で、タイヤの中にあんこを入れて、耐パンク性能をアップさせる、タイヤインサートの種類がずいぶんと増えてきました。
が、とにかく種類が多くなったので、いったい、どれがいいのよ?と困惑することもしばしば。ということで、タイヤインサート初心者のために、当店的なまとめをちょいとご紹介します。

まぁ、元祖なのがこいつですよね。

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ご存じ、ハックノリス。
スポンジ的な素材のベルトをタイヤの中に入れて、リム打ちを防ぐという単純なもの。

で、この後出てきて、一気にそのシェアを拡大したのが・・・

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このCush Core。登場するや否や、ダウンヒルレースやエンデューロレースで一気にシェアを拡大し、今や、タイヤインサートの代名詞にまでなってきました。

で、ここで気になるのが・・・・

どっちがいいのよ???

まぁ、そう思っている人は、世界中どこにもいるもんで・・・(汗)。いろいろ調べていたら、具合のいいイラストを発見しましたよ。

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このイラスト、すごくわかりやすいんで、説明も一気に楽になるんですが、この2種類の大きな違いは、Cush Coreは、タイヤを内側から補強して、剛性をアップするような構造なのに対して、Huck Norrisは、タイヤそのものの剛性には、そこまで大きく作用しないという点です。

Cush Coreは、タイヤの中の容積の半分近くを占めるため、空気量も少なくなります。さらに、ビードもまず落ちず、タイヤサイドも変形しないので、低圧で運用しても、コーナーで腰砕けになりません。加えて、万一パンクして空気が抜けても、Cush Coreそのものがタイヤを支える一種のランフラット構造なので、そのままなんとか走ることも可能です。ただ、それなりに重量があります(大体250gくらい)
半面、Huck Norrisは、タイヤの空気量にはさほど影響がなく、重量も100g以下ではありますが、タイヤを横方向に支える力もさほどあるわけではなく、ビードをロックする機能もありません。単に、リム打ちの際に、タイヤとリムを保護する役目があるというだけのシンプルなもの。

なら、Cush Core の方がいいじゃん!?

ま、そうなんですけれど、考えようによっては、Cush Coreは、タイヤの特性を大きく変えてしまうシロモノ。つまり、こいつを入れることによって、タイヤの変形特性が大きく変わるので、グリップ特性も変わってきます。その点、Huck Norrisは、タイヤそのものの特性にはあまり影響しないうえ、空気量も十分に確保できるので、乗り心地なども変化がでてきません。

さらに、Cush Core最大の弱点が・・・・・

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タイヤを外すのがすげぇ大変!!!

念のため言っておくと、タイヤインサートを入れておいても、パンクはするんです。で、もし、トレイルでパンクしてしまって、中にチューブを入れようと思っても、Cush Coreは、内側からタイヤビードをガッチリ止めていますから、ビードを落とすのに一苦労。写真のような専用タイヤレバー(その名もビードブレーカー)を使って、力任せに落としてやらないと、タイヤが外れてきません。レースのような一発勝負ならいいんですが、トレイルライドでとなると、けっこう大騒ぎな作業となってきます。

その点、Huck Norrisは、ビードロックとしての機能はないので、タイヤを外すのは、ふつうのタイヤとほぼ同じ。

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最近は、写真のMega Norris なる、ヘビーデュティ仕様も登場してきて、これは丈夫な分、タイヤを横方向に押さえつける作用も、レギュラーのHuck Norrisよりも強くなっていますが、構造は同じなので、タイヤの着脱は、Cush Core に比べたら、何倍もらくちんです。

なので、当店的には、トレイルやファンライドに使うのであれば、Huck Norris か Mega Norris。レースに使うなら、Cush Core をお勧めします・・・と言いたいんですが、最近、いろいろと新興勢力が出てきたんですね(滝汗)

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これは、Tannus のアーマーチューブレスというインサート。
コの字形状なので、タイヤ交換の際にビードを落とすのも、Cush Coreほど大変ではないのですが、ビードロック機能もある程度有しているので、低圧で運用してもタイヤが腰砕けになりにくいという優れもの。さらに、重量も150~160gとかなり優秀。加えて、価格も1本7200円と、これまたかなり優秀。

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さらにこいつは、Tubolight のEVOというインサート。これも、Tannusと同様、ビードロック部分がコの字になっているので、タイヤ交換は幾分楽です。さらに、このTubolightのインサートは、とにかく軽量で、XC用のものは58gしかない!!ネックは、並行輸入でしか仕入れられないという点ですが(汗)

まぁ、他にもとにかく何種類もあるタイヤインサートですが、レースよりもトレイルライド、競技よりもファンライドというスタンスの当店的には、お勧めはやっぱりHuck Norris か Mega Norris。
ただ、ハードテールで、後輪をブリブリと振って走るようなロストな方々には(汗)、タイヤそのものの横剛性を高める作用も持つ、Tannusをお勧めですね。

ちなみに、当店では、タイヤインサートはリアのみで十分という考え方です。もちろん、フロントに入れるのも効果的なんですけれど、フロントに入れるくらいなら、サイドウォールがしっかりした、少し重めで太目のタイヤをフロントにだけ入れるほうが、空気量も確保できるし、タイヤ本来のグリップ力も得られるのでいいのではないかと思っています。

とまぁ、ご参考になれば~。おいら(店主)は、フルサスのエンデューロバイクは、リアのみHuck Norris。ハードテールの下り向け遊びバイクは、リアのみTannus。ただ、トレイルバイクには、インサートは入れずに、スペアチューブを持って走っています(笑)

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