新型YETI 29インチモデル3種 忖度抜きでテストしてきました!

あけましておめでとうございます!
今年は、おいら(元店主)が専属遊び人に格下げ(え)となり、時間ができたので、ブログを頑張ります。

で、この1月2日に、日本で正規販売が再開したばかりの、YETI Cycles の新型フルサスペンションバイク3種を、伊豆の山伏トレイルにてテストしたきました!
テスターは、おいらと店主、じてんしゃ屋佳の竹田さん、オガワサイクルの小川さん。

323111010_5581615508552396_2882139751654729972_n.jpg

加えて、山伏トレイルガイドの平馬さんも加わって、SB160、SB140、SB120をテスト。写真はここにはないんですが、比較として、27.5モデルのSB165と、旧モデルのSB150も持ち込み、ぶっちゃけ、どれが一番お勧めなのかを決めてやろう!という試乗会となりました。
モデル名の数字は、リアストローク長(㎜)、SBは、Super Bike の略なんです(本当)。

年末の忙しい時に、代理店のYuris様に、3種類を納車していただき、突貫で組み立て。ですが、これらのバイクは、すべて当店で購入したバイクで、借り物などではありません。ゆえに、忖度抜きの本気のインプレを行い、この3種のバイクで、お勧め順に順位を付けました。

第3位 : SB160 フレーム価格 86万円

DSC_1454.jpg

エンデューロレースの本気のレーシングモデルが、SB160です。リアショックは、FOX Factory Float X2。
フロントサスは、FOX38Factory。駆動系はXTR(クランクのみCane Creek eeWing チタン)。ブレーキは、Hope Tech4とE4キャリパーで、フロント220㎜、リア203㎜ローター。ホイールは、Industry Nine Hydra に、Lost Riders カーボンリム。タイヤは、Maxxis Assegaiをフロント、Dissectorをリアにセット。Bike Yoke Reviveドロッパ―に、Spank Oozy 280 サドル、Industry Nineステム、Race Face Six カーボンバー、この仕様での参考価格は、240万円(白目)

とにかくラインなんかどーでも良くなる走破性で、速く走るためだけのバイク、という点でテスター全員の意見が珍しく一致したバイクでした(汗)そして驚くべきは、登りのトラクションがえげつなくて、軽めのギアでクルクル足を回していると、クローラーみたいに登って行ってしまうところ。ただ、バイクコントロールが一番しやすいポジションが、結構前乗りなので、ダウンヒルバイクというよりも、ちょっとXCバイク的なポジションで、DHバイク並みの走破性があるという説明が丁度いいかもしれないです。
なので、低速域ではコントロールが逆にシビアになる感じ。狭いトレイルでトロトロと下って来るのが、何気に大変。小回りは効くんですが、それでも大柄なバイクなので、バイクが通り抜けられるラインを素早く見つけて、躊躇なくそこへ飛び込む的なスキルを要求される感じです。でも、走破性はムチャクチャ高いので、少々路面が荒れていても関係なし。

各テスターの独り言
小川 : ラインが関係ない・・・
竹田 : ゆっくり走りにくい!
店主 : なんなんですかね、このバイクは・・・(呆)
おいら: 日本でこのバイク、必要なんすか??

ともかく、このバイクのポテンシャルは、山伏トレイルでは2割も発揮できない感じ(汗)。ハイスピードで、ビッグジャンプがあるようなトレイルでその真価を発揮するのは間違いないので、パークがオープンするグリーンシーズンまで冬眠決定です(大汗)
また、このバイクじゃないと走れない場所なんて、この日本にはそんなに存在しないというのも事実ですね・・・


第2位 : SB120 フレーム価格 74万円

DSC_1462.jpg

YETIで、これ以上のトレイルバイクはない!と強気のステートメントを出しているのがこのSB120。元は、SB115というXCレースバイクだったのですが、これをXCにも使えるトレイルバイクという立ち位置でアップデートしました。リアショックは、FOX Factory Float DPS。
フロントサスは、FOX34Factory。駆動系はXTR(クランクのみRaceFace SL)。ブレーキは、Hope Tech4とE4&X2キャリパーで、フロント203㎜、リア180㎜ローター。ホイールは、Industry Nine Hydra に、Brap Ride カーボンリム。タイヤは、チャオヤンPhantom WET。Bike Yoke Reviveドロッパ―に、Spank Oozy 280 サドル、Industry Nineステム、Race Face Six カーボンバー、この仕様での参考価格は、205万円(白目2回目)

まず衝撃的なのが、登り坂。座っていようが、立っていようが、重いギアだろうが、軽いギアだろうが、モーターが入っているみたいにスルスル登って行ってしまう!ウソみたいに思えるでしょう?でも、登りが大嫌いで苦手なおいらが、シングルトラックの登りで、他のバイクに乗るテスター全員をごぼう抜きにして登れちゃう!!
とにかく、取り回しが軽い。バイクも今回の仕様で12.6㎏とけっこう軽量で、チャオヤンのXCタイヤとのマッチングが良かったのもあって、本当にトレイルで自由自在。それでいて、低速域でも安定感抜群で、これなら初心者や小柄な人でもまったく問題ないと思います。事実、SB120のみ、XSサイズまでラインアップされています。
サスペンションも、これ、本当に120㎜ストロークなの?というくらい懐が深い。走っていて、リアストロークしている感覚がほとんどないんですが、ペダリング時もブレーキング時ですらも、しっかりと仕事をしているんです。
ただ、その取り回しの軽さ故に、ハイスピードの下りは結構テクニカル。ゆっくり走っていれば安定しているんですが、スピードが上がってくると、まるで浮かんでいるみたいな感じで、グリップしているのに滑っているようだし、滑っているのにグリップしているような、不思議な感じになってきます。あと、高速テールスライドした時の、リアの挙動がかなりクイック。何度も言いますが、ゆっくり走っていればなにも問題ありませんが、飛ばしたくなっちゃうんですよ(汗)

各テスターの独り言
小川 : 無限に登れる!!
竹田 : これ乗ると、先頭をかっ飛ばしたくなりますね!
店主 : なんか、ずっと浮かんでいる感じ・・・
おいら: このおいらがこの勢いで登れるんですよ!?

もし、MTBの使い道がトレイルメインなら、間違いなくSB120がベストチョイス。XCレースだって問題ないし、大滝のようなグラベルのロングライドにも最高だと思います。フレーム価格74万円は、確かにベラボーですが、この総合力を知ってしまうと、この価格も納得しちゃいそうになります。


第1位 : SB140 フレーム価格 77万5000円

DSC_1461.jpg

SB140のメーカーの殺し文句は、「これがMTBだ!」なんですよ(汗)。トレイルバイクだけど、それ以上、なんでもやれるぜというモデルが、SB140です。リアショックは、FOX Factory Float X。
フロントサスは、FOX36Factory。駆動系はXTR(クランクのみCane Creek eeWing チタン)。ブレーキは、Hope Tech4とE4キャリパーで、フロント220㎜、リア203㎜ローター。ホイールは、Industry Nine Hydra に、Lost Riders カーボンリム。タイヤは、IRC TANKEN。Bike Yoke Reviveドロッパ―に、Spank Oozy 280 サドル、Industry Nineステム、Race Face Six カーボンバー、この仕様での参考価格は、220万円(もうヤケクソ)

メーカー的には、旧モデルのSB130の後継車種がSB140なんですが、実際のところ、旧モデルのSB150をもっとトレイルよりに振ったのがSB140だと思います。まぁ、呆れるほどよく登るし、ギュンギュン曲がるし、ストロークも本当に140㎜しかないの!?と思わせるくらい懐が深い。そして、飛ばしていても、上体が比較的起きているポジションをとれるので、楽なんです。このバイクなら、パークのジャンプトレイルも間違いなく楽勝で行けちゃう。
ただ、リアサスの出来があまりに良すぎて、なかなか滑り出すタイミングがわかりにくい(苦笑)。そして、滑り出すと、スパンッ!という感じにリアが出るので、このバイクを楽しむのには、フラットペダルは必須かもしれないですね(笑)。今回は、タイヤの太さは前後とも2.3だったんですが、フロントを2.6にした方が乗りやすそうに感じました。加えて、ブレーキローター220&203㎜はやり過ぎでした(大笑)。

各テスターの独り言
小川 : これ乗っていれば間違いないという感じ
竹田 : トレイルもパークも全部行けちゃう
店主 : 一番お勧めできる!
おいら: オールラウンドで一番乗りやすい

なんだかんだ、一番使いやすいだろうと評価の高かったSB140ですが、ちょっとやり過ぎなスペックで組んでしまったところもあるので、こいつはもう少しに詰めていかないとダメ。でも、部品構成をあまり意識しなくても、のんびりトレイルから、ハイスピードパークまで、全部カバーできちゃう。そして、バイクの良さを引き出すスキルも、そこまでハイレベルなものは要求されないところがいいところ。一言で言うと、本当に乗りやすいんですよ。

まとめ

とまぁ、どのモデルも、かなりポテンシャルが高いのはよくわかったんですけど。でも、大問題は確実にあるわけで・・・・

とにかく値段が高い!!!

フレームが70万とか80万とか、完成車が200万オーバーとか、アタマオカシイよ!というレベルなんですけれどね。

でも、よーく考えてみると、ロードバイクにはこんなんありましたよねぇ。

big_3539454_202009101845280000001.jpg

Cerveloがランボルギーニとコラボしたスーパーロードバイク。こいつは、1万8000ドルでしたから、今の為替レートだと、消費税を入れると、ざっと265万円!!

さらに、こんなのもありますよ。

bike-rumor-3t-exploro-racemax-1-800x450-1.jpg

こいつは、3Tが、やっぱりランボルギーニとコラボした、スーパーグラベルバイク。こちらは、1万5000ドルですから、消費税まで入れて計算すると、ざっと221万円!!

おいらが思うに、YETIはMTB界のランボルギーニみたいなもんだと思うんですよ。スーパーカーならぬ、スーパーバイク。事実、それゆえに、SBと言われているわけで。なので、200万円オーバーというのも、あながち高いと言い切れない。だって、YETIは、前後サスペンションが付いてきますから(笑)そして、事実、スーパーカー並みのネームバリューもあるし、運動性能もやはりスーパーカーだということは、今回の試乗でよくわかりました。

あと、そこまでハイスペックでなくてもいいというのであれば、YETIの完成車のCシリーズというのがお得なんですよ。

28071-en-bi003630-sage.jpg

これ、SB140のC1というモデルで、SLXがメインで、ショックもパフォーマンスなんですが、こちらは、定価が114万円(汗)。
Cシリーズは、ハイエンドのTモデルとはちょっと違うカーボンフレームで、少し重いんですが、リンク構造やジオメトリーはまったく同じ。もちろん、100万円オーバーというプライスタグは高いんですけれど、今や、GIANTのReignのカーボンモデルが、似たようなパーツ構成で、99万円なんですよ(ま、Reignは、カーボンリムだけど)。
ちょっと前はお得だと言われていたブランドですら、この値段。YETIが特別高いんじゃなくて、全体的に高いというのも事実なんですね。

323775643_1333146514101999_582377209909048534_n.jpg

まぁ、それでも値段が高いバイクですから、おいそれと購入という訳にはいかないですけれど、所有する満足感はそりゃ半端ないです(笑)
今回は、とにかく一番いいヤツをテスト!ということで、3台総額600万オーバーなんていう鼻血企画でしたが、次回は、少し価格の安い、Cシリーズをテストしてみたいですね!(え)










この記事へのコメント